皆さんこんにちは。さっちゃえです。
薬局経験20年程度の現役薬剤師です。
現場で働く薬剤師や薬剤師以外の医療職の方にもプラスになる資料作りを目指してます。
何かご要望がありましたらお問い合わせよりメッセージいただければ幸いです🤗
梅雨に入りランニングや登山に支障が出てます😔我慢の時期ですね。
今日のテーマは「抗アレルギーの比較③：副作用」になります。
比較①は用法用量、比較②は適応症・作用機序になりますので、こちらもご覧ください。
抗アレルギー薬は以下の条件で抽出してます。
- アレルギー疾患治療薬のうち抗ヒスタミン作用を主作用としていない。
メディエーター遊離抑制薬、抗トロンボキサンA2薬、ロイコトリエン拮抗薬、Th2サイトカイン阻害薬
※ブロニカは販売中止が決まっているため含んでおりません。 - 内服のみを対象とする。（注射薬、吸入薬、舌下錠は対象外）
それでは今回の目次です。
はじめに
「抗アレルギー薬の副作用は？」と聞かれるとどのような回答になりますか？
抗ヒスタミン薬のイメージもあり「眠気は出ますか？」と聞かれることもよくありますよね。
抗アレルギー薬は抗ヒスタミン薬と違って眠気は少なかったような・・・
他に特徴的な副作用はあったかな？
今回は患者に説明する機会が多い主な副作用についてまとめました。
今回の記事の目的は
★抗アレルギー薬の主な副作用を知る。
★抗アレルギー薬の眠気・傾眠の発症状況を知る。
になります。
副作用一覧
| 大分類 | 先発薬名 | 成分名 （一部） | 主な副作用（発疹・過敏症・蕁麻疹以外） | |||||
| 眠気・傾眠（％） | 精神神経（眠気・傾眠以外） | 消化器（悪心・嘔吐以外） | 肝機能 | その他 | 検査値上昇 | |||
| メディエーター 遊離抑制薬 | リザベン | トラニラスト | 0.09 | 腹痛・胃不快感・食欲不振・下痢 | 肝機能異常 | 頻尿 | AST・ALT・ALP | |
| ケタス | イブジラスト | 0.02 | 腹痛・胃不快感・胸やけ・食欲不振 | AST・ALT・γ-GTP・ALP | ||||
| アレギサール／ぺミラストン | ペミロラスト | 0.17 | 腹痛 | AST・ALT | ||||
| 抗TXA2薬 | ドメナン | オザグレル | 0.03 | 肝機能異常 | AST | |||
| ラマトロバン（後発のみ） | ラマトロバン | 0.56 | 頭痛・めまい | 腹痛・胃不快感・下痢・便秘 | 血尿・動悸 | AST・ALT・γ-GTP・ALP・LDH・APTT延長・好酸球増多 | ||
| LT拮抗薬 | オノン | プランルカスト | 0.06 or 0.4 | 頭痛・めまい・倦怠感 | 腹痛・胃不快感・消化不良・腹部膨満・下痢 | 肝機能異常 | 血中ビリルビン | |
| キプレス／シングレア | モンテルカスト | 0.21 | 頭痛・倦怠感 | 腹部不快感・上腹部痛・下痢・便秘 | 肝機能異常 | 血尿・口渇 | AST・ALT・γ-GTP・ALP・LDH・血中ビリルビン・白血球増加 | |
| Th2サイトカイン阻害薬 | アイピーディ | スプラタスト | 0.48 | 頭痛・倦怠感 | 胃不快感・上腹部痛・下痢 | 肝機能異常 | 口渇・月経障害 | AST・ALT・γ-GTP・LDH |
☆各医薬品のインタビューフォームから成人の発症率が0.1％以上の副作用項目を挙げました。
☆皮膚関連（発疹・蕁麻疹・過敏症）や悪心・嘔吐は全ての薬が該当するため今回の一覧からは省いてます。
☆オノンの眠気の発症率は気管支喘息対象の試験で0.06％、アレルギー性鼻炎対象の試験で0.4％となります。
☆キプレス/シングレアは副作用の発症率の記載が無かったため発症数/症例数で計算してます。
まとめ
いかがでしょうか？
抗ヒスタミン薬と比べると眠気・傾眠の発症率が低いことが分かりました。
リザベンには頻尿の副作用が挙がってますが、他にも排尿痛・血尿・残尿感等の膀胱炎様症状は患者への注意喚起が必要ですね。
今回の記事が日々の服薬指導や薬の理解のお役に立てばうれしいです🤗
解釈の誤りやご指摘がありましたらお問い合わせフォームよりコメントいただければ幸いです🤗
参考資料：《各医薬品の添付文書・インタビューフォーム》
