皆さんこんにちは。さっちゃえです。
薬局経験20年程度の現役薬剤師です。
現場で働く薬剤師や薬剤師以外の医療職の方にもプラスになる資料作りを目指してます。
何かご要望がありましたらお問い合わせよりメッセージいただければ幸いです🤗
3月から続けてきた膝のリハビリですが8月で終えることになりました。完全回復まで頑張ります💪
今回のテーマは「抗アレルギーの比較④:注意点(禁忌・相互作用)」になります。
比較①は用法用量、比較②は適応症・作用機序、比較③は副作用になりますので、こちらもご活用ください。
抗アレルギー薬は以下の条件で抽出してます。
- アレルギー疾患治療薬のうち抗ヒスタミン作用を主作用としていない。
メディエーター遊離抑制薬、抗トロンボキサンA2薬、ロイコトリエン拮抗薬、Th2サイトカイン阻害薬
※ブロニカは販売中止が決まっているため含んでおりません。 - 内服のみを対象とする。(注射薬、吸入薬、舌下錠は対象外)
それでは今回の目次です。
はじめに
抗アレルギー薬は禁忌や相互作用といった注意点が少ない印象ですよね。
禁忌はあったのかな?併用禁忌は無かったような…
今回は禁忌や注意すべき相互作用についてまとめました。
今回の記事の目的は
★抗アレルギー薬の禁忌を知る。
★抗アレルギー薬の注意すべき相互作用を知る。
になります。
禁忌・相互作用一覧
大分類 | 先発薬名 | 成分名 (一部) | 禁忌 (成分過敏症以外) | 相互作用 |
メディエーター 遊離抑制薬 | リザベン | トラニラスト | 妊婦 | ワルファリン |
ケタス | イブジラスト | 頭蓋内出血後、止血が完成していないと考えられる患者 | ||
アレギサール/ぺミラストン | ペミロラスト | 妊婦 | ||
抗TXA2薬 | ドメナン | オザグレル | 小児等 | チクロピジン、ウロキナーゼ、ヘパリン、ワルファリン |
ラマトロバン(後発のみ) | ラマトロバン | チクロピジン、ウロキナーゼ、ヘパリン、ワルファリン | ||
LT拮抗薬 | オノン | プランルカスト | ||
キプレス/シングレア | モンテルカスト | |||
Th2サイトカイン阻害薬 | アイピーディ | スプラタスト |
妊婦に禁忌となっているトラニラストとぺミロラストですが、産婦人科診療ガイドラインでは「妊娠初期(妊娠13週6日までを目安)のみに使用された場合、臨床的に有意な胎児への影響は無いと考えられる薬」に含まれてます。
抗ヒスタミン薬の相互作用の記事では「AUC(データが無ければCmax)の変化が倍以上もしくは半分以下になる組み合わせ」を抽出して挙げましたが、今回取りあげている抗アレルギー薬ではその条件に該当する相互作用がありませんでした。
リザベン、ドメナン、ラマトロバンの相互作用はいずれも出血リスク増強で、インタビューフォームにも具体的な数値は提示されてませんが一応挙げました。
まとめ
いかがでしょうか?
抗アレルギー薬は禁忌も注意すべき相互作用も少ないですね。
添付文書の「重要な基本的注意」を見てみると、
- リザベン、キプレス/シングレア、オノンの継続服用中は、好酸球増加が重篤な副作用発症のきっかけになる可能性があるため注意が必要。
- キプレス/シングレアとオノンは因果関係は不明だが、うつ病・自殺念慮・自殺及び攻撃的行動を含む精神症状が報告がある。
とありますので、併せて覚えておいた方がよいと思います。
今回の記事が日々の服薬指導や薬の理解のお役に立てばうれしいです🤗
解釈の誤りやご指摘がありましたらお問い合わせフォームよりコメントいただければ幸いです🤗
参考資料:《各医薬品の添付文書・インタビューフォーム》