皆さんこんにちは。さっちゃえです。
薬局経験20年程度の現役薬剤師です。
現場で働く薬剤師や薬剤師以外の医療職の方にもプラスになる資料作りを目指してます。
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今日のテーマは「抗アレルギーの比較②:適応症・作用機序」になります。
比較①は用法用量になりますので、こちらもご覧ください。
抗アレルギー薬は以下の条件で抽出してます。
- アレルギー疾患治療薬のうち抗ヒスタミン作用を主作用としていない。
メディエーター遊離抑制薬、抗トロンボキサンA2薬、ロイコトリエン拮抗薬、Th2サイトカイン阻害薬
※ブロニカは販売中止が決まっているため含んでおりません。 - 内服のみを対象とする。(注射薬、吸入薬、舌下錠は対象外)
それでは今回の目次です。
はじめに
抗アレルギー薬は作用機序が多岐に渡っているため適応症もそれぞれ異なります。
アレルギー性鼻炎に使えたっけ?気管支喘息に適応ある?
このような疑問の解決にご利用ください。
今回の記事の目的は
★抗アレルギー薬の適応症と作用機序の関連を知る。
になります。
適応症・作用機序一覧
大分類 | 先発薬名 | 成分名 (一部) | 適応症 | 作用機序 | |||||
鼻 | ア | 喘 | ケ | め | 作用点 | 発揮する作用 | |||
メディエーター 遊離抑制薬 | リザベン | トラニラスト | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 | ケミカルメディエーター遊離抑制 | Ⅰ型アレルギー反応抑制 | |
サイトカイン抑制、活性酸素抑制 | ケロイドや肥厚性瘢痕でのコラーゲン合成抑制 | ||||||||
ケタス | イブジラスト | 〇 | 〇 | ホスホジエステラーゼ阻害 | 気道収縮抑制、脳血流改善・抗血小板 | ||||
抗ロイコトリエン、抗PAF | 気道収縮抑制、鼻閉改善 | ||||||||
アレギサール/ぺミラストン | ペミロラスト | 〇 | 〇 | ケミカルメディエーター遊離抑制 | Ⅰ型アレルギー反応抑制 | ||||
抗TXA2薬 | ドメナン | オザグレル | 〇 | トロンボキサンA2合成酵素阻害 | 気道過敏性抑制、気道収縮抑制 | ||||
ラマトロバン(後発のみ) | ラマトロバン | 〇 | トロンボキサンA2受容体拮抗 | 血管透過性抑制・炎症性細胞抑制 | |||||
プロスタグランジンD2受容体拮抗 | 炎症性細胞抑制 | ||||||||
LT拮抗薬 | オノン | プランルカスト | 〇 | 〇 | ロイコトリエン受容体拮抗 | 気道収縮抑制、鼻閉改善 | |||
キプレス/シングレア | モンテルカスト | 〇 | 〇 | ロイコトリエン受容体拮抗 | 気道収縮抑制、鼻閉改善 | ||||
Th2サイトカイン 阻害薬 | アイピーディ | スプラタスト | 〇 | 〇 | 〇 | インターロイキン産生抑制 | 抗アレルギー(好酸球抑制、IgE抗体抑制) |
鼻:アレルギー性鼻炎 、 皮:アトピー性皮膚炎 、 喘:気管支喘息 、 ケ:ケロイド・肥厚性瘢痕 、 め:脳梗塞後遺症に伴う慢性脳循環障害によるめまいの改善
作用機序は主な作用点とそれにより発揮される作用に分けてます。
作用点が複数ある薬は2行になってます。
第2世代抗ヒスタミン薬の比較②:適応症・作用機序
で作用機序の概要があるので、それも参考にしてくださいね。
まとめ
いかがでしょうか?抗アレルギー薬の作用機序と適応症で迷った際に上の一覧をぜひご活用ください。
今回載せている作用機序は概略になります。「鼻アレルギー診療ガイドライン」には作用機序の詳細が図でわかりやすく載っているためご参照ください。
・皮膚科領域で使えるのはリザベンとアイピーディのみ
・ケタスは作用機序や適応症が独特
・抗TXA2薬はドメナンは気管支喘息のみ、ラマトロバンは鼻炎のみ
を覚えておきます。
今回の記事が日々の服薬指導や薬の理解のお役に立てばうれしいです🤗
解釈の誤りやご指摘がありましたらお問い合わせフォームよりコメントいただければ幸いです🤗
参考資料:《各医薬品の添付文書・インタビューフォーム》