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ステロイド点鼻薬の比較②:注意点(禁忌・相互作用・副作用)

皆さんこんにちは。さっちゃえです。
薬局経験20年程度の現役薬剤師です。
現場で働く薬剤師や薬剤師以外の医療職の方にもプラスになる資料作りを目指してます。
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ランニングは続けてますが膝の調子がなかなか良くならずモヤモヤしてます🌀

今回のテーマは「ステロイド点鼻薬の比較②:注意点(禁忌・相互作用・副作用)」です。
ステロイド点鼻薬の比較の第2弾となります。ちなみに比較①は用法用量・適応症となりますのでこちらも是非ご覧ください。
それでは今回の目次です。

はじめに

ステロイド点鼻薬の禁忌・相互作用・副作用は理解されてますか?

禁忌なんかあるの?
外用薬だし相互作用は無かったような・・・?

今回の記事の目的は
★ステロイド点鼻薬の禁忌・相互作用・副作用を知る。
になります。

禁忌・使用を避ける患者・相互作用・主な副作用の一覧

先発薬名成分名
(一部)
禁忌
(成分過敏症以外)
投与を避ける患者相互作用
(併用注意)
主な副作用
ベクロメタゾン(後発のみ)ベクロメタゾンプロピオン酸有効な抗菌剤の存在しない感染症、
全身の真菌症
喘息発作重積状態又は喘息の急激な悪化状態、結核性疾患
フルナーゼフルチカゾンプロピオン酸リトナビル
ナゾネックスモメタゾンフランカルボン酸鼻中隔潰瘍・鼻の手術後や鼻外傷のある患者、鼻・咽喉頭真菌症の発症
アラミストフルチカゾンフランカルボン酸リトナビル※1
エリザスデキサメタゾンシペシル酸※2
☆主な副作用
 鼻:鼻症状 (刺激感、瘙痒感、乾燥感、不快感) 、 く:くしゃみ発作 、 血:鼻出血 、 臭:不快臭 、 真:真菌検査陽性 、 咽:咽喉頭症状(刺激感、疼痛、不快感、乾燥等) 、 ※1:血中コルチゾール減少、白血球数増加 、 ※2:ALT上昇

「投与を避ける患者」は以下の条件で抽出してます。
・禁忌には該当しない。
・添付文書に「投与を避ける」や「使用しない」等の記載がある。

ポイントや補足

禁忌:
全て共通の禁忌ですが具体的には以下を参考にしてください。
有効な抗菌剤の存在しない感染症 ➡ MRSA(メチシリン耐性黄色ブドウ球菌)、VRE(バンコマイシン耐性腸球菌)などの多種の抗菌剤に耐性を示す感染症など。

全身の真菌症 ➡ 真菌症は表在性真菌症、深部皮膚真菌症、深在性(内臓)真菌症に分けられるが、そのうち最も重篤な疾患である深在性真菌症、特に全身性の播種性のもの。クリプトコッカス髄膜炎、肺アスペルギルス症、カンジダ血症など。

相互作用(併用注意):
リトナビルは抗ウイルス薬で、併用により血中濃度が増加し全身性のステロイド作用が発現したとの報告があります。
HIV感染症に使用するカレトラやノービア、SARS-CoV-2感染症に使用するパキロビッドパックが該当します。

まとめ

いかがでしょうか?
禁忌・投与を避ける患者・相互作用のいずれもどちらかというと稀な疾患や併用薬であります。
外用薬ということもあり比較的安全性が高い薬ではありますが一部注意が必要であることの理解は必要ですね。

禁忌や注意すべき疾患、併用注意が一部あることを知っておきます。
主な副作用は一覧を見ながら患者に説明したいと思います。

今回の記事が日々の服薬指導や薬の理解のお役に立てばうれしいです✨
解釈の誤りやご指摘がありましたらお問い合わせフォームよりコメントいただければ幸いです✨
参考資料:《各医薬品の添付文書とインタビューフォーム》

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