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第2世代抗ヒスタミン薬の比較⑥:代謝・排泄

皆さんこんにちは。さっちゃえです。
薬局経験20年程度の現役薬剤師です。
現場で働く薬剤師や薬剤師以外の医療職の方にもプラスになる資料作りを目指してます。
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近場の低山ばかりですが月1回程度山に登ってます。良い運動だしリフレッシュになります。

今回のテーマは「第2世代抗ヒスタミン薬の比較⑥:代謝・排泄」です。
比較①は用法用量比較②は適応症・作用機序比較③は副作用比較④は注意点(禁忌・相互作用)比較⑤は作用時間になりますので、良ければご覧ください。
それでは今回の目次です。

はじめに

第2世代抗ヒスタミン薬の中で肝機能低下や腎機能低下時に注意が必要な薬はあるのでしょうか?

採血のeGFRが低いんだけど用量はこのままで良かったかな?

このような際に今回の記事を活用ください。

今回の記事の目的
★第2世代抗ヒスタミン薬の肝機能低下時や腎機能低下時の用量調節について知る。

肝機能低下時・腎機能低下時に用量調節が必要な薬

肝機能低下・腎機能低下共に、通常用量の投与でAUC(データが無ければCmax)が2倍以上に増加する薬、を抽出条件としました。
肝機能低下:
アレロック ➡ 肝機能障害患者への投与は副作用発現が起きやすくなる可能性があり注意。
デザレックス ➡ 重度の慢性肝機能障害患者(Child-Pughスコア:10~15)は用量調節検討

アレロックの副作用は、眠気や自覚症状の無い肝機能検査値異常といずれも軽微なものですが一応挙げました。

腎機能低下:
該当薬のみ一覧にしました。抽出条件は上記の肝機能低下と同じです。

先発薬名成分名
(一部)
軽度~中等度低下
eGFR45~59)
中等度~高度低下
eGFR30~44)
高度低下
eGFR29以下)
ジルテックセチリジンCCr30~49 : 5mgCCr10~29 : 5mgを2日に1回
CCr10未満 : 禁忌
タリオンベポタスチンCCr50以下 : 10mgを検討
アレグラフェキソフェナジンCCr15以下 : 用量調節検討
アレロックオロパタジンCCr34以下 : 用量調節検討
ザイザルレボセチリジンCCr50〜79 : 2.5mg
CCr30〜49 : 2.5mgを2日に1回
CCr10〜29 : 2.5mgを3〜4日に1回
CCr10未満 : 禁忌
デザレックスデスロラタジンCCr50以下 : 用量調節検討
☆用量は1日量

CKD重症度分類に従ってeGFRで腎機能低下を3段階に分類しました。
添付文書ではeGFRでなくCCrが腎機能の指標となりますが、標準体型(170cm・63kg)に近ければeGFR≒CCrと考えられます。
体格が小さい患者や長期臥床の患者等では実際の腎機能よりeGFRは高くなってしまうことは頭に入れておきましょう。

特に注意が必要なジルテックとザイザルは腎機能に合わせた投与量が明確に設定されているんですね。これは助かります。

まとめ

いかがでしたか?
第2世代抗ヒスタミン薬は普段から調剤する機会が多く、比較的安全と考えられているため見落としがちですが、注意が必要な薬がいくつかありました。

腎機能低下時については注意が必要な薬だけ覚えておいて、用量を提案する際は上の一覧を使用するようにします。

今回の記事が日々の服薬指導や薬の理解のお役に立てばうれしいです😀
解釈の誤りやご指摘がありましたらお問い合わせフォームよりコメントいただければ幸いです😀
参考資料:《各医薬品の添付文書とインタビューフォーム》

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