※当サイトは医薬品情報の提供を目的としており健康や医療に関する助言ではありません。

第2世代抗ヒスタミン薬の比較⑤:作用時間

皆さんこんにちは。さっちゃえです。
薬局経験20年程度の現役薬剤師です。
現場で働く薬剤師や薬剤師以外の医療職の方にもプラスになる資料作りを目指してます。
何かご要望がありましたらお問い合わせよりメッセージいただければ幸いです🥹
シェア畑という間借りした畑で野菜を育ててます。もうすぐイチゴの収穫時期なので楽しみです🍓

今回のテーマは「第2世代抗ヒスタミン薬の比較⑤:作用時間」です。
比較①は用法用量比較②は適応症・作用機序比較③は副作用比較④は注意点(禁忌・相互作用)になりますので、良ければご覧ください。
それでは今回の目次です。

はじめに

患者から作用発現時間や作用持続時間に関する質問はよく聞かれませんか?

飲んでから何分で効果が出てくるか?何時間効果が続くか?

う~ん、ちょっと調べますね。

このような際に今回の記事をご利用ください。

今回の記事の目的
★第2世代抗ヒスタミン薬の作用発現時間、作用持続時間の目安を知る。

作用発現時間・作用持続時間一覧

先発薬名成分名
(一部)
服用回数作用発現
時間
Tmax作用持続
時間
t1/2定常状態
有無
ザジテンケトチフェン2×2.8×214日以内
ゼスラン/ニポラジンメキタジン2×6.7×38.67日
アゼプチンアゼラスチン2×4×16.56日
オキサトミド(後発のみ)オキサトミド2×2.6×10.16日
レミカットエメダスチン2×3.1×72.5日
アレジオンエピナスチン1×1.9×9.2×
エバステルエバスチン14h5.24h~24h18.54日
ジルテックセチリジン140m~1h1.524h6.82日
タリオンベポタスチン230m~1h1.212h2.42日
アレグラフェキソフェナジン21h2.2×9.62日
アレロックオロパタジン2×1×8.84日
クラリチンロラタジン12h2.31414.54日
ザイザルレボセチリジン11124以上7.32日
デザレックスデスロラタジン11h1.824h19.55日
ビラノアビラスチン11.5h124h10.57日以内
ルパフィンルパタジン115m×24h以上×3日
アレサガテープエメダスチン1×6×137日
☆作用発現時間・作用持続時間
 単位のhは時間、mは分。×はデータ無し。インタビューフォームより抜粋。
☆Tmax・t1/2
 単位は時間。添付文書・インタビューフォームより抜粋。

アレジオンは定常状態に関するデータが無く×としてますが、t1/2から推測すると2日程度で定常状態に到達すると考えられます。

ルパフィンはルパタジンと体内動態が異なる活性代謝物デスロラタジンも作用時間に影響するためTmaxとt1/2は×にしてます。作用発現時間と作用持続時間を活用ください。

アレサガテープのt1/2はテープを剥離した後の半減期になります。

一覧の使い方とポイント

作用発現時間と作用持続時間の記載がある薬はそのまま活用ください。
作用発現時間の記載がない薬はTmaxを、作用持続時間の記載がない薬はt1/2を目安の時間として代用ください。
また定常状態は薬が安定的に効きだすまでの目安として活用ください。
例えばアレロックだと

血中濃度が最大になるのが1時間なので、効きはじめはその前後だと考えられます。

薬が半分になるのが9時間弱なので、半日程度は効果があると考えられます。

薬の効果が安定するのは飲み始めて4日目くらいからになります。

といった説明になるかと思います。
ただ作用発現時間とTmax、作用持続時間とt1/2が相関しない薬もあるため、あくまで目安の時間であるという説明は必要になります。

ニポラジン/ゼスラン、エバステル、アレサガテープは他の薬に比べて作用発現に時間がかかりそうですね。

まとめ

いかがでしたか?
新しい薬は作用発現時間や作用持続時間が記載されているので参考になりますね。

効きはじめの時間やどれくらい効果が続くのかといった質問があった際にはこの一覧を利用して答えるようにします。

今回の記事が日々の服薬指導や薬の理解のお役に立てばうれしいです🥹
解釈の誤りやご指摘がありましたらお問い合わせフォームよりコメントいただければ幸いです🥹
参考資料:《各医薬品の添付文書とインタビューフォーム》

タイトルとURLをコピーしました