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第2世代抗ヒスタミン薬の比較③:副作用

皆さんこんにちは。さっちゃえです。
薬局経験20年程度の現役薬剤師です。
現場で働く薬剤師や薬剤師以外の医療職の方にもプラスになる資料作りを目指してます。
何かご要望がありましたらお問い合わせよりメッセージいただければ幸いです🤗
駅伝やマラソンが大好きです。特に箱根駅伝はマニアレベルだと自覚してます。

今回のテーマは「第2世代抗ヒスタミン薬の比較③:副作用」です。
ちなみに比較①は用法用量比較②は適応症・作用機序になりますので、それぞれリンクからご覧ください。
それでは今回の目次です。

はじめに

特に冬から春にかけては毎日調剤する第2世代抗ヒスタミン薬を、主な副作用の視点でまとめてみました。
また鎮静の副作用について少しだけ深堀りしてます。

眠気以外に起きやすい副作用って何があるのかな?薬で違いはあるのかな?

どっちの薬の方が眠くなる?運転してもいい?

う~~ん、どうだったっけ?

という疑問の解消にご利用ください。

今回の記事の目的
★第2世代抗ヒスタミン薬の主な副作用の違いを知る。
★鎮静作用の強さの目安を知る。

第2世代抗ヒスタミン薬の主な副作用一覧

先発薬名成分名
(一部)
主な副作用眠気の
発生率
脳内
H1
受容体
占有率
運転
可否
ザジテンケトチフェン      4.450~×
ゼスラン/ニポラジンメキタジン     2.220~30×
アゼプチンアゼラスチン     —–20~30×
オキサトミド(後発のみ)オキサトミド   —– 50~×
レミカットエメダスチン    6.3—– ×
アレジオンエピナスチン   1.2~10
エバステルエバスチン   1.7~10
ジルテックセチリジン   2.610~20×
タリオンベポタスチン 1.310~20
アレグラフェキソフェナジン   0.5~10
アレロックオロパタジン 710~20×
クラリチンロラタジン0.710~20
ザイザルレボセチリジン   2.6~10×
デザレックスデスロラタジン      1~10
ビラノアビラスチン    0.6~10
ルパフィンルパタジン   9.3—– ×
アレサガテープエメダスチン  6.3—– ×
☆主な副作用は発症頻度0.1%以上(デザレックスは2%未満・ビラノアは1%未満)のものを一部抜粋
 精:眠気・倦怠感・頭痛・めまいetc 、 渇:口渇・鼻乾燥etc 、 消:胃部不快感・悪心嘔吐・腹痛・下痢・食欲不振etc 、 皮:発疹・掻痒etc 、 肝:肝機能検査値上昇etc 、 腎:尿潜血・尿蛋白・尿糖etc 、 循:心悸亢進・胸部圧迫感etc 、 血:好酸球増多etc
☆眠気の発生率:単位は%で、鼻アレルギー診療ガイドライン2023の表24を参照
☆脳内H1受容体占有率:脳内ヒスタミン1受容体占有率で単位は%。鼻アレルギー診療ガイドライン2023の図11を参照。
☆運転可否:
  〇:添付文書に運転注意に関する記載なし
  △:添付文書に注意させることと記載あり
  ×:添付文書に従事させないよう十分注意することと記載あり

脳内H1受容体占有率が高いと眠気等の鎮静作用が強くなると考えます。ただし各試験の状態は必ずしも同一ではありません。

第2世代抗ヒスタミン薬の副作用のポイント

主な副作用は発症割合が高いものを抽出してますが、デザレックスとルパフィンは抽出している発症割合が他とは異なりますので目安としてお考え下さい。

鎮静作用の指標3つについては相関性があり、運転注意の記載が無い薬は眠気の発生率も少なく脳内ヒスタミン1受容体占有率も低くなってます。

鎮静作用の目安は運転可否の〇と△だけ覚えるのが一番覚えやすいですね。
〇:運転に関する記載なし ➡ アレグラ、クラリチン、デザレックス、ビラノア
△:運転注意と記載あり  ➡ アレジオン、エバステル、タリオン

まとめ

抗ヒスタミン薬の副作用で患者に説明する機会が多いのは鎮静作用に関することがダントツだと個人的には思ってます。
薬が変わったときに「前の薬とどっちが眠くなる?」といった質問は何回も受けてきました。そのような質問の時に今回の一覧をご利用ください。

主な副作用の違いはこの表を使って説明します。

今度からは鎮静作用の違いをうまく説明できそうです。

今回の記事が日々の服薬指導や薬の理解のお役に立てばうれしいです🤗
解釈の誤りやご指摘がありましたらお問い合わせフォームよりコメントいただければ幸いです🤗
参考資料:《各医薬品の添付文書》《鼻アレルギー診療ガイドライン ー通年性鼻炎と花粉症ー》

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